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好きな人との結婚について、一度は考えたことがあるという人は多いはずです。現在、アラサーと呼ばれる30代前後の男女の7割近くが結婚願望があるといわれています。
参照:アラサー200人調査「結婚願望ある」は67%|株式会社Q.E.D.パートナーズのプレスリリース
しかし、中には独身生活が板について、「結婚する意味がわからない」「現代で結婚する意味は実質ないのでは?」と考える人も。
もしあなたが「いつかは結婚を」と考えていても、結婚願望のない人が恋人だった場合、結婚という制度が相手の人生にとってどのようなメリットを持つのか、相手にプレゼンをする必要があるかもしれません。
あるいは、自分に結婚願望がなくても、家族に「結婚はいつになるのか」「孫の顔は見れるのか」とプレッシャーを与えられている場合、結婚にどのような意味を見出せるのでしょうか。
この記事では、「現代で結婚をすることの意味」について深く考察します。根本的に社会的な結婚制度がどのようなものなのか、また入籍をすると得られるメリット、そしてデメリットについて掘り下げていきましょう。
目次
結婚という制度について考察してみよう
あまねく脊椎動物には雄と雌という性があり、人間も男女という性別、そしてそれぞれの社会的役割が与えられてきました。
男性/女性には身体的・精神的な違いがあり、得意不得意も異なります。しかし、お互いの得手不得手を補う以上に「生殖」のための「番(つがい)」つまり「夫婦」という関係が生活と人間関係の基盤です。
夫婦とは、人間の最小のコミュニティである「家庭」の核です。そこへ子供たちが加わることで、家庭は大きくなります。
加えて、2つ以上の「家庭」のそれぞれの子供同士が結婚をすることによって、コミュニティが拡大し、「一族」となります。人間の社会とは、このように形成され拡大していったと考えられます。
しかし現代の結婚において「家同士の結びつき」「一族の興進」という意味は薄らいでいます。社会という枠の中に「家庭」というミニマルなコミュニティが点を成してひしめいている状態と言えるでしょう。
先進国では結婚による社会形成・拡大をする必要がないので、個人の結婚は自由意志のもとで選択することができ、してもしなくても社会的に困らないのです。その上で、結婚する意味とは何かを考察してみましょう。
古今東西・結婚の制度
昭和30年くらいまでは、日本の結婚制度も「家の結びつき」という意味が強かった時代です。
恋愛結婚は非常に珍しく、普通は親戚や近所の人が見合う相手をみつくろって「縁談」を持ってくることが「出会い」でした。よって、婚礼の日に新郎新婦が初めて顔を合わせるということも珍しくはなかったようです。
結婚する当人たちの気持ちよりも、結婚による家同士の結束の方が重要な意味を持っていたため、結婚が「恋愛の末の約束」という現代の形とは全く違っています。
参照:昔の結婚(小平市の昔話)|東京都小平市公式ホームページ
もっと時代をさかのぼり、日本の戦国時代の時代劇や中世が舞台の海外ドラマのような世界観になると、特に王族や貴族同士の結婚は「嫁を人質に取ることで戦争を抑止する」という意味も持っていますよね。
総合すると、貴族も平民も同じく、両家が争わず、協力してお互いの一族を興していくために、「結婚」という血縁を結ぶしきたりがあったのです。
「家の結びつき」の現在
現代における結婚には、上記のような「家の結びつき」という意味はなくなってきました。
昔は結婚は親や親戚の言いなり状態だったといえますが、現代では個人の自由意志が重んじられます。両親に結婚に反対されようが、実家と縁を切ってでも好きな人との結婚を選ぶ人も少なくありません。
参照:親が反対した人と結婚した185人にアンケート調査|株式会社ネクストレベルのプレスリリース
そして、現代とは多様性が重んじられる時代。好きな人と結婚をする自由だけでなく、同性と結婚する権利も叫ばれていますし、「結婚しない自由」もほぼ認められています。
田舎の地方ほど「行き遅れ」という、未婚女性を蔑む言葉があるものの、全国的に結婚の平均年齢はおよそ30歳前後と、二十代初期には多くの男女が結婚をしていた昭和期とは大きく離れています。
それに、結婚したとしても「女性が夫の両親と同居をすることで女性側の幸福度が下がる」こともわかっており、義両親との同居を拒む女性も多いです。
参照:長男と結婚した女性の三大不平・不満 | PRESIDENT Online
つまりは、現代の結婚には「家同士のつながり」という意味はほぼないと考えて良いでしょう。
自由恋愛が許され、「家業を継ぐ」という就職形態も珍しくなったいま、結婚とは完全に自由意志のもとで選択できる生き方のひとつとなったのです。
結婚は恋愛のゴール?
現代では、結婚は自由な恋愛の延長線上にある分岐点のひとつとなりました。とはいえ、実際に「恋愛の結果」として結婚をして、恋心がなくなり離婚に至るというケースもあるものです。
なぜかといえば、共同生活は恋愛の力で成り立つものではないから。どれほど男女としての仲が良いとしても、生活リズムや生き方の価値観が異なれば、共同生活は破綻してしまうのです。
それに、恋愛のドキドキ感は期限付きですから、恋人として付き合いたての頃のようなラブラブ関係を、結婚してから何十年も継続するのは不可能なこと。よって、結婚相手を恋愛の価値観のみで決めてしまうのは、リスクがあるのです。
この辺りが、現代の結婚の落とし穴と言えるでしょう。結婚制度に自由が与えられても、現実的な結婚生活は恋愛のゴールではないのです。他の大人が縁談を決めた「お見合い結婚」の方が離婚率が低いのはこのためかもしれません。
参照:お見合い結婚は離婚率が低い|ZWEI
結婚の経験者は、よく結婚を「共同生活」と言い表します。結婚してパートナーとなる相手とは、チームメイトとして摩擦なく協力し、質の高い生活を維持できるかが大事であり、恋人として恋愛関係をうまくやっていけるかはさほど関係ないのです。
恋愛がしたい人に結婚は向いてない
結婚とは、現代ではお互い好きあった二人の恋愛の結果として選択する関係性でもありますが、恋愛をすることが好きな人には、実は向いていない制度でもあります。
なぜかといえば、たとえお見合い結婚の割り切った婚姻関係だとしても、他の異性と関係を持てば「不倫」とみなされるから。
結婚は刑法の決まりではないので、不倫をしたら即刑罰というわけではなく、あくまでも夫婦の一方が訴えることで法的な縛りができるものですが、基本的には不倫は「結婚生活の破綻」の状態といえるもの。
つまり、結婚をして一人の相手と夫婦関係となれば、いかに夫婦間で恋愛感情や愛情がなくなったとしても、夫婦内で合意をしたり離婚しない限りは、他で新たな恋愛をすることはできないのです。
そのため、恋愛関係を求めている人は、婚姻関係を求めていないといえます。恋がしたいのか、生活のパートナーを得たいのか、自分が何を求めているのか改めて見つめ直してみましょう。
社会の中でカップルとして認められること
昔のような結婚制度が変わり、結婚をするかどうかも自由選択である現代においても、結婚願望のある人は7割近くにものぼります。
参照:アラサー200人調査「結婚願望ある」は67%|株式会社Q.E.D.パートナーズのプレスリリース
それはなぜでしょうか。結婚をしたい理由の一つに「好きな人とずっと一緒にいたい」という理由があります。
この理由は恋愛にも深く関わってくるものですよね。人間は「好きな人を他の人ともシェアしてみんなでハッピー」という生き物ではなく、多くの人は好きな人を自分だけで独占したいと思うものでしょう。
結婚をすれば、「この人は私の妻/夫です」と社会に示すことができ、他の異性が手出しをしようとすれば裁判を起こすこともできます。そのため、好きな人と結婚することは「ずっと一緒にいる」という約束を「法的な強度で守ること」といえるでしょう。
また、支え合えるパートナーが欲しい、子供を持ちたいという理由があるときも、結婚は理にかなった制度です。夫婦として共同生活を送れば節税になりますし、子育ても協力して行える上、社会福祉や会社の協力も仰ぐことができます。
加えて、少し古い価値観ですが、男性は「結婚してこそ一人前」とみなされる文化があるため、既婚者になることは社会的ステータスでもあるという見方があります。女性も専業主婦になりたい人は少なくなりましたが、その場合は家計を支えてくれる男性との結婚が必要不可欠です。
よって、結婚は「家の結びつき」ではなくなったものの、社会的にもまだまだ意味のある制度なのです。
結婚とは「番の契約」か
動物には雄と雌が「つがい」となって、協力して子育てをするものもいますよね。
人間が結婚する理由のひとつにも、「自分の子供が欲しいから」という理由が挙げられます。
子供をワンオペで育てようとすれば、それはもう苦労するものです。一緒に過ごしてあげたくても仕事に行かなければ生活費や学費を稼げませんし、親の役目を一人でこなすのは、今の福祉の不十分な社会ではとてもまかないきれません。
結婚をして夫婦関係があれば、一方が育児に集中しているときに、もう一方が仕事でお金を稼ぐことができます。
それだけでなく、両親として二人で協力して子育てをすることで、バランスの取れた育児ができ、子供にとっても母親、父親という信頼できる存在ができ精神的な安定を得られます。
加えて、両家の祖父母の協力があれば、夫婦ともに育休からの社会復帰も負担が軽減されるので、子育てにとっては結婚のメリットは大きいのです。
言うなれば、結婚は「つがいとして子育てをする」ための合理的な選択肢です。動物の中では、子育てが終われば夫婦を解消する種は多いですが、人間としてどのような選択をするのかは自分たち次第です。
事実婚とは何が違う?
婚姻届を出しての結婚を「法律婚」と呼ぶのに対し、婚姻届を出していないにも関わらず、婚姻関係と同等の生活を送っている状態を「事実婚」と呼ぶことがあります。
その違いは「婚姻届を出しているかどうか」なので、お互いに結婚の意志がありお互いを「夫婦」として認め合っていて、親戚や友人など周囲の人からも夫婦関係と認められているなら、婚姻関係と同等な法的関係とされるのです。
法律婚ではなく事実婚を選ぶ理由としては、以下が考えられます。
- 改姓が不要
- 親戚付き合いや義両親の介護が負担になりにくい
反対に、事実婚には「パートナーの遺産を相続する権利がない」「税金が控除されない」「夫婦関係を証明しづらい」などのデメリットも。
参照:事実婚のメリット・デメリット | ミラシル by 第一生命
夫婦共に経済力に自信があれば良いとはいえ、財産を法的に共有することができないため、不動産の購入などの場面ではややこしくなりがち。
他には、子供を授かった時に「両親である証明」が難しくなることも挙げられるでしょう。
事実婚を選択するカップルは、どちらかが研究職で苗字を変えられなかったり、「同じ墓に入る」「嫁にもらわれる」という古い結婚観を避けるため、という理由が多いと考えられます。
そのメリットがデメリットを上回る場合、法律婚より事実婚を選ぶのも悪い選択ではないでしょう。
法や福祉のメリットについて
結婚をするメリットとは、まず「配偶者控除」や「医療費控除」などの税制上の控除を受けることができ、家計の助けになることです。
一緒に生活をすれば、家賃も食費も光熱費も、カップルとして別々の家に住むよりも大幅に節約できますし、節税もできるとなれば、チームワークのできるカップルなら結婚した方が「お得」ですよね。
また、子供の福祉や健全な育成のためには、両親の仲が円満であることが重要だ、という意見もあります。
片親でも保育や教育、保健など、子どもが心身ともに健康的に育つための社会福祉の助けが得られるとはいえ、あくまで現状として不十分を叫ばれている事実も鑑みれば、両親の元で子どもが育つことはメリットであるといえるでしょう。
このように、結婚をする意味とは主に「家庭を作る際に社会的なメリットを享受できること」ということができます。よって、アナーキズムの人にとって結婚は意味がないのかもしれませんね。
入籍をするメリットとデメリット
では、入籍をするメリットとデメリットについて具体的に知り、自分が将来的に結婚をする意味についてより詳しく考察してみましょう。
前述したように、ひとまずは恋愛関係を度外視して、婚姻関係が希望する自分の生き方を叶えてくれるかどうかを判断基準にします。
たとえば、「自分の家庭を持つ」というビジョンがあるなら、結婚をするのが確実ですよね。ただし、この点を含め、入籍をして自分の環境が変わる要素にはメリットとデメリット、両方を含んでいるといえます。
家庭を持つということは、自分の帰りを待つ人がいる温かい家に帰れるということ、孤独に生きる必要がないこと。そして同時に、家族を守る責任がのしかかること、独り身の自由を失うことでもあります。
結婚をした上で、家族に対する責任を取らず自由恋愛を謳歌する、なんていいとこ取りはできないのが現実。これらのメリット・デメリットを考慮した上で、改めて結婚の意味とは何かを考えてみましょう。
自分の家族を持つということ
結婚をするということは、親元から離れて自立し、自分とパートナーが中心となって家庭を作っていくことともいえます。
たとえるなら、生まれ育った群れから離れて、自分自身が新たな群れの長になるというようなものです。
いわゆる、一昔前でいうところの「家長」になることですが、女性も働く現代社会では、夫婦の二人が共同で一家のリーダーを務めるということになるでしょう。
そのメリットとしては、実家の家族など誰かの言いつけに縛られることもなく、自分達なりの価値観で家庭を築くことができることがまず挙げられます。恋愛結婚なら、自分で選んだ妻や夫との生活になるので、家でもよりリラックスして過ごせるでしょう。
自分が選んだパートナーの待つ、自分が選んだ家に帰れること、毎日の生活が孤独から遠ざけられることは、長期的に精神的な安定をもたらします。
反対に、家庭を持つことのデメリットは「責任が重い」ことです。主に家計を支える人は、特に仕事を継続して収入を得ることのプレッシャーも増えますし、パートナーや子どもたち家族を健康的に、幸せに支えていくのは、一家のリーダーの義務です。
近年は経済的にも不安定な情勢ですし、昭和期のような、終身雇用にマイホーム・マイカーの揃った、贅沢のできる暮らしが叶わない家庭もそう少なくありません。
自分自身を支えるだけで、精神的にも収入も精一杯だという人にとっては、結婚して家庭を持つという責任の重さは手に余ると思われます。
自分の生活力に余裕ができない限りは、結婚を考える心の余裕も生まれないかもしれません。また、自分のやりたい仕事に「収入を得る」以上の目的がある場合、自分と家庭を支えてくれるパートナーが必要です。
そのような場合、責任を担ってくれるパートナーを見つけることで、結婚の意味も感じられるでしょう。経済的に余裕のある相手を見つけられるよう、自分の器量や教養を磨かなければいけません。
子供のいる家庭、いない家庭
家庭を持つことの責任の重さは、子供の有無でも大きく異なります。
子供のいる家庭では、子供の人数分の食費、養育費、医療費などもかかりますし、子育ても高校〜大学生くらいまでは手がかかるものです。
心も体もゆっくり休まる日々は遠遠くなりますし、親として、大人として子供たちの手本になれるようにと、毎日のプレッシャーからストレスを感じることでしょう。
対して、結婚しても子なし夫婦でいる場合、子育てや養育費のストレスがないので、収入を自分達のために使うことができます。家の間取りも2人が心地よく過ごせる規模で十分ですし、浮いた費用を家具やリフォーム、旅行や貯金などに使うこともできます。
また、子なし夫婦の方が、子供のいる夫婦よりも離婚率がおよそ2倍も低くなるというデータもあります。
参照:離婚率・離婚原因|ベンナビ離婚
育児のことで揉める夫婦も多いですし、自分とパートナーと2人だけの家族で十分幸せという夫婦にとっては、子供がいなくても問題がないのです。
とはいえ、子供がいないことで子育てをする喜びを知ることもなく、老後に面倒を見てくれる親族がいない可能があります。全ての家庭の子が親の介護を引き受けるわけではないですが、円満な関係の親子である場合、少なくともパートナーが亡くなった後の孤独はないと思われます。
結婚は子供のいる家庭において有利な社会制度であるとはいえ、子供を授かることもメリットばかりではないのです。近年では、子供のいない夫婦に対して後ろ指を指すような田舎の風潮も無くなってきていますし、自分達夫婦にとって良い生き方を柔軟に模索できそうです。
生活レベルが向上する場合とそうでない場合
結婚をすると、一緒に生活をするメンバーが増えるわけなので、家事を分担することで一人分の負担を減らすができます。
一人暮らしで自炊、掃除、洗濯など全ての家事をこなすのはなかなか時間を取られてしまいますが、夫婦で分担することで家事に割いていた時間も半減できるでしょう。
また、共働きの場合は収入力も二馬力となるため、一人分の生活よりも経済的に潤った暮らしが期待できます。
このように、結婚をすることで生活水準が上がることは、結婚を控えた誰もが期待するメリットでしょう。
ただし、それは協力的な人がパートナーになる場合に限られます。もしも結婚相手が怠惰で自分勝手な人であった場合、結婚をするデメリットの方が目立ってくるでしょう。
たとえば、前時代的な価値観の男性は、家事や育児は女性の仕事であると主張します。男性に十分な稼ぎがあり、女性が専業主婦でかつ自由に使えるお小遣いも貰えるならそれでも釣り合いますが、共働きをしなければ家計を保てないのに、妻にだけ家事労働を押し付けるのは非常に不公平です。
あるいは、夫の稼ぎが十分でなく、自身も収入を得る必要があるにもかかわらず、専業主婦希望でさらに家事もろくにしないような妻も存在するでしょう。いわゆる「夫をATM扱いする妻」といったところ。
これらのような人との結婚は、独り身の頃の方が幸せだったと感じられるかもしれません。世にいう「結婚は墓場」というものがあるとすれば、上記のようなパターンです。
結婚の意味をプラスに考えるとしたら、常識的なパートナー選びも大切になってくるのです。
共働きなら家事の分担も必須
「結婚をしたら家事から解放される」と考えている人には、現実的な結婚に意味を見出せないかもしれません。
なぜなら、結婚相手に家事を全て押し付けるということは常識的ではないからです。
共働きなら家事も分担しなければ、夫婦の一方の生活の負担が重すぎます。それに、家事とは最低でも毎日自炊する場合、365日休みのない労働です。
そのため、たとえ一方が専業主婦/主夫として家事の多くを担っているとしても、休日くらいはもう一方が肩代わりしてあげることは必然。もう一方が家事をするか、外食や家事代行サービスを利用することが求められます。
家事とは労働であり、外注すれば料金が発生する仕事。結婚相手をタダの労働力とみなすのは、人権意識に問題があると考えられることです。
結婚の意義を「家事、育児、親の介護のためのヘルパー」と捉えているなら、結婚の価値観からまず見直さなければ、相手を見つけるところから苦労するでしょう。
「独身の自由」とは何か
主に男性が結婚をするデメリットとして、「独身の自由がなくなるから」という意見を目にすることがあります。
好きな時に就寝して、残業も厭わず仕事をして、好きに食事をして、遊んで、恋愛するという、独身ならではの自由。これが、結婚すればパートナーに合わせたり譲歩しなければいけなくなるため、結婚に意味を感じない、という男性もいるでしょう。
独身を謳歌している人のことを「独身貴族」と言い表すこともありますね。 自分が稼いだお金を自分のためだけに使うという自由は、独身貴族特有の権利ともいえるでしょう。
ただ、独身貴族男性は、年齢が上がるにつれ同年代の女性との恋愛が難しくなってきます。 子供が欲しいと思っている女性は、遅くとも35歳までには結婚相手を見つけるために奔走するので、 男性と恋愛するときには 相手の結婚願望をまず確認するという人も増えてくるのです。
すると、結婚願望がない男性、また結婚をまだしたくないと思っている男性は、その時点で同世代の女性の恋愛対象からは外れてしまいます。
独身貴族的な30代半ば以降の男性が、20代の若い女性と付き合いたがるのは、このような理由もあるのでしょう。しかし、男性の年齢が上がるにつれ、交際してくれる若い女性もいなくなってきます。
そして、独身貴族的男性が結婚願望が芽生えたときには、釣り合う女性がいないという世知辛い現実を目の当たりにするでしょう。大金持ちでない限りは相手をしてくれる女性もいなくなり、モテない寂しい独身高齢男性となってしまうかも。
ひと昔の世間では、女性の結婚には期限があり、シーズンを逃したクリスマスケーキにたとえられることもありましたが、現実的には「男性の独身の自由」も期限付きなのです。
遊びの恋愛ばかりしていると、いつか安定した家庭をもつ男友達が羨ましくなっても、自分は安定した結婚相手としての立ち振る舞いもわからず、結婚のチャンスを逃してしまいます。
「男に賞味期限はない」と考えていると思わぬ落とし穴にはまるので、自身の結婚願望や結婚の意味合いについては、今からでも熟孝しておくことをおすすめします。
「家庭に縛られる」ということ
「結婚したら家庭に縛られる」というデメリットは、結婚相手の価値観によっては特に感じない可能性もあります。
基本的に不倫やギャンブル、借金、DVは、家庭を崩壊させる行動なのでNGですが、そのほかの自由については、パートナー次第ではさほど縛りを感じられないかも。
たとえば、人によって嫉妬深い人も、嫉妬の感情がさっぱりしている人もいます。あまり嫉妬をしない人は、パートナーが異性の友達と交流をしても、浮気や不倫関係にならない限りは気にしないでしょう。
金銭的な自由も、夫婦共働きで財布を分ければ、生活費や貯金を確保した上で好きに自分のお金を使うのは問題ないはず。
起床や帰宅の時間も、夫婦で合わせたいという人も、別々でも構わないという人もいます。結局は、結婚をする意味があるかどうかもパートナー次第なのかもしれません。
家庭に縛られることが結婚のデメリットだと考えているなら、結婚相手を縛らない相手と結婚すれば解決します。そのような条件をもとに結婚相手を探すには、婚活アプリや結婚相談所の利用がおすすめです。
妻、夫という「相棒」
結婚することのメリットは、その結婚が良いマッチングである場合、最愛の相棒を得られることです。
結婚は恋愛というレール上にある終着駅というわけではないものの、自分の価値観や結婚に求める条件が合致するだけの相手に対して、生理的な拒否感がないとも限りません。
恋愛結婚の良い点は、何年も交際した後の結婚なら、恋人関係に立ちはだかる倦怠期を乗り越えた、心の通じ合う相手といわば「生活のためのチーム」を組めることです。
交際相手に対して恋人以上に愛情を持つようになった2人には、「恋人愛」と「家族愛」が織り混ざったような複雑で強固な関係性ができます。そして一緒に暮らせば、両親や友達の誰よりも身近でお互いを理解する、恋人であり親友であり、家族となるなのです。
そのような自分の一番の理解者を得られることも、結婚をする意味のひとつといえるでしょう。たとえ実家の家族と決裂し、仕事でつまづいて、友達と喧嘩をしても、最後まで自分を受け止めてくれるようなパートナーがいれば、それだけで生きる意味になります。
夫婦とは毎日を協力して生きる「相棒」なのです。そんな相手がいれば、結婚のほとんどのデメリットも大したことはないのではないでしょうか。
電気の灯った家に帰ること
一人暮らしの経験があるなら、仕事から帰ってきて、誰もいない、電気のついていない冷え切った暗い部屋に、買い物をしたスーパーの袋がかさつく音が響くのをひどく寂しく感じたことがあるのではないでしょうか。
玄関のドアをバタンと閉める音が無性に心を抉りますよね。返事は返ってこないのに「ただいま」と独りごつ毎日に耐えられず、婚活を決意する人もいるでしょう。
小さい頃に、学校の帰り道、近所の夕飯の匂いに「今日のうちの晩御飯はなんだろう」と予想しながら、幸せな気持ちで家に帰ったという思い出は不思議と人と共有できるものです。そうした「幸せな帰り道」は、独身一人暮らしになると遠のいてしまいます。
理想的な結婚、理想的な家庭と考えたときに、思いつくのが「家族が待つ家に帰る」という人は少なくありません。「ただいま」と言えば「おかえり」と返す好きな人の声があるのは、とても幸せなことではないでしょうか。
この点、実家暮らしが長い人には、上記のような結婚の意味も共感しづらいかもしれません。しかし、ひとり立ちすることを考えた時に、孤独でいるよりは信頼できるパートナーがいる方が心強いのは確かです。
そのパートナーを見つけるまでがまず一つの結婚の難関ですし、見つけても2人の異なる人間が息を合わせるには時間とお互いの忍耐力や寛容さが必要です。
相手に歩み寄りができる人、相手から何かを「もらう」ことばかりでなく「あげる」ことができる人が、意味のある結婚ができるともいえるでしょう。
社会でパートナーと共生するということ
社会で1人で生きるのは、どんな国でも困難なものです。家族のサポートを厚く受けられる人ばかりではありませんし、一から自力で解決しなければいけない問題に直面することもしばしばでしょう。
そんな中、一緒に問題解決に協力してくれるパートナーがいれば心強いですよね。特に現代日本は不況なので、自分が急に働けなくなった時など、経済的に困ったときに支えてくれる人がいると安心感も桁違いです。
もし自宅で病気で倒れてしまった時など、一人暮らしの人は自力で助けを呼べない可能性もあります。ちょっと熱が出ただけでも「死を覚悟する」という人もいるでしょう。
同時に、大切な人のピンチを自分が支えられることで、「自分は必要な人間だ」と強く実感することができます。まるでメンヘラの意見ですが、実は「誰かに必要とされている」と思えることは社会生活を健康的に送る上で非常に大事だったりします。
とはいえ、「自分を必要としてくれる存在」は結婚相手である必要はありません。結婚を選択しない自由、子供を持たない自由もあり、人それぞれ色々な生き方があります。結婚も生き方の選択の一つとして、自分にとっての結婚の意味について考えてみてください。
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