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今時、国際カップルは珍しいものではありません。日本にも観光客が大勢押し寄せるようになり、日本国内にいながら外国人との出会いの機会もそれなりにあるものです。
とはいえ、国際結婚は2016年以降横ばいで毎年国全体のうち3%程度と、10人に1人もしていない計算。最近見かける国際カップルの数にしては、国際結婚をしたカップルとは意外と少ない印象を受けます。
(出典:平成28年度 人口動態統計特殊報告 「婚姻に関する統計」の概況|厚生労働省)
予想されるその理由としては、国際結婚のハードルの高さが挙げられるでしょう。外国籍でも日本で生まれ育ったなら言語も文化も不自由ありませんが、外国で生まれ育った人が日本にやってきて生活をするというのは、なかなか難しいもの。
特に欧米の人にとっては、言語体系が全く異なる日本語をマスターするのは大変なことです。日本における国際結婚の率が高い欧米人は、何かと縁深い国であるアメリカの人がダントツですが、英語圏の人が日本語を覚えるのは困難を極めます。
逆に、日本人が英語を覚えるのも大変なことですよね。義務教育で英語を学んでいるため、アメリカ人が日本語を覚えるよりはスタートが早いとはいえ、英語で会話を難なくこなせるほどトレーニングしてきた人は稀なほうでしょう。
そうした、いわゆる「言語の壁」に加え、「文化の壁」も立ちはだかります。その上、国際結婚でさらに困難なのが、複雑な結婚手続きの関係。日米の国際結婚も、一筋縄ではいきません。
日本で結婚するのと、アメリカで結婚するのとでその難易度も変わります。手続きの方法もその年で変わることもありますから、その時その状況に合わせた対処が必要です。
アメリカと日本との国際結婚は、どのような流れで進めたら良いのでしょうか。そう悩んでいる方達に向けて、ここでは日米間の国際結婚の方法についてお話ししていきます。
目次
まずどちらの国で生活するか決めよう
アメリカの方と国際恋愛の末に結婚の約束をしたという方、まずはおめでとうございます。結婚に向けて、ビザや宣誓書などの書類の準備で色々と大変なこともあるでしょうが、パートナーとの絆が固ければ必ず乗り越えられますから、頑張っていきましょう。
そういう筆者も2020年にアメリカ人男性と国際結婚をした立場です。はじめは日本に相手が引っ越してくるつもりで話を進めていたものの、仕事や言葉など色々な面を考慮した結果、アメリカで結婚して今も現地で生活をしています。
日米の中間にどちらの法律も効く国があったらいいのになと思うのですが、そうもいかないのが現実。まずは、結婚したらお互いどちらの国で生活をするのかを考えましょう。それによって、日本で結婚をするほうがいいのか、アメリカで結婚をするのかも変わってきます。
アメリカで生活する場合、まず日本で結婚してから渡米し、永住権を取得して生活するという手もありますが、そのための配偶者ビザは取得まで1年ほどかかるというデメリットも。離れ離れになる時間を短縮したければ「婚約者ビザ」を取得し、アメリカで結婚ののち永住権を申請することになるでしょう。
また、どちらが相手の国に引っ越すか決める時には、以下の点を参考にしてみてください。
- 一緒にいる時に話している言語は日本語と英語のどちらか
- お互いの仕事の環境や収入
まず、自分たちのうち「どちらが相手の言葉に合わせているか」ということを考えましょう。どちらも英語と日本語を喋れるなら問題ありませんが、もしも「相手が日本語を話せるけど、自分は英語を話せない」という状況だと、アメリカで結婚して生活を送るのは困難になります。
逆に、「自分が英語を話せるけど、相手が日本語を話せない」という場合も同じように、相手に日本に来てもらって生活をするのは、相手にとって大きなストレスになります。
外国での生活は、そこで使われている言語を話せることが必ず必要になりますし、言葉が不自由だと就職も人間関係も困難です。まずは、結婚後の引越し先としては「言葉に合わせる」というのも考慮のうちです。
また、お互いの仕事や収入に関する都合も考えないといけません。海外で就職するのは難しいですし、基本的には仕事の立場と収入が安定しているほうに合わせたほうが良いと考えられます。
たとえば筆者の場合、パートナーが日本語を喋れないこと、彼が5年以上勤める会社が給料も安定して休暇も取りやすい優良ホワイト企業であることから、彼が仕事を辞めて日本に来るのはリスクがあると判断しました。加えて筆者がノマドワーカーのため、国外でも仕事ができるということで、アメリカ移住を決断した次第です。
アメリカに移住したらグリーンカードや労働許可証がないと現地で就職することができませんが、日本の企業と遠隔で仕事をして収入を得ている場合は、引き続き仕事をすることができます。そのため、国外で仕事ができる場合は、もう一方の都合に合わせてあげると良いでしょう。
最終的な決定は自分たちの都合や希望に合わせると良いですが、どちらの国に移住するとしても、付随するリスクについても把握しておくことをおすすめします。
アメリカ人のパートナーを日本に呼び寄せて結婚する場合
もしアメリカ人のパートナーと、日本で生活するということになったら、まず相手の日本語の能力について考えましょう。
お相手が日本語ペラペラで相手も日本の企業に就職しているという場合は、結婚するとしても何も問題ありません。難しいことがあるとしたら、相手の日本語が完璧ではない場合です。
日本で就職して生活をするとなると、日常会話の能力だけでは不十分な時があります。特に、日本語は敬語の中にも謙譲語、尊敬語というものがありますし、ビジネス会話も改めて把握しないといけません。
そのため、日本語がまだ不自由なところのあるパートナーが日本に引っ越してくることになったら、まずは通う日本語学校や日本語教室を決めましょう。場所によっては就職の相談にも乗ってくれるところもあるので、合わせて考えてみるといいかもしれません。
また、相手が引っ越すまでに日本の就職先を見つけていないとしたら、相手が就職先を見つけるまで、自分が相手を養う必要があります。その上、2人分の生活を支えていけるだけの仕事だけではなく、相手との毎日を楽しく過ごしていける時間の余裕も大切です。
自分が仕事をしている間は、相手は1人で日本の生活をすることになります。日本語に自信がなければ、はじめの1〜2年は銀行口座の開設から健康保険の申請など、事務的な手続きは必ず補助してあげなければいけません。
望ましい仕事の環境としては、自分と相手の2人分の生活費を賄っても余裕のある給料と、週休2日で定時退社ができる職場です。どちらも欠けていると、アメリカ人パートナーとの日本の生活も少し難しくなると考えた方がいいでしょう。
または英会話教室などの就職先は、海外からも遠隔での就職面接をしているところもあります。お互いに日本で暮らしたいという希望であれば、まずは日本での就職先を見つけてから日本に引っ越して結婚をするという流れなら、精神的にも余裕が持てそうです。
外国人が日本で暮らすことのデメリットとは
少し前、日本の外国人労働者に対するあまりの待遇の酷さについてニュースになりました。
低賃金で長時間働かせる上、いじめや虐待まで発生する最低な労働環境で、主に他のアジア系から中東系の外国人労働者に対する処遇が問題となっています。
日本人はどこか欧米人に対して引け目を感じがちということもあり、アメリカ人パートナーが劣悪な職場に就職するという可能性は比較的に低いと思われますが、それでも外国人が日本で生活し仕事をするというのは難しいことです。
その上、差別感情にも向き合わなければならないでしょう。日本人は国際的な意識やコミュニケーションに疎い人が多く、無意識に差別をしてしまう人も少なくありません。外国人の日本語のアクセントを笑ったりなど、「いじり」のような無礼な行為も往々にしてあります。
また、アメリカ人パートナーが女性である場合は、性犯罪に対しても注意しなければいけません。性犯罪が重罪であるアメリカに比べ、日本では軽々しく白昼堂々と行われるケースもあり、都心の地下鉄や満員電車では痴漢にも気を付けないといけないのです。
日本で暮らすとなれば、観光客には見えない「闇」の部分も見えるようになります。そうした部分を経験してカルチャーショックで落ち込まないよう、日本に引っ越す前には日本語の上達や就職、友人関係の構築やストレスの対処など、最低限の生活を1人でこなせる力が必要かもしれません。
「日本が好き」といってくれる外国人の気持ちは裏切りたくないもの。海外生活もなかなかストレスなしにはいきませんから、相手のメンタルまでサポートする余裕を持ち合わせたいところです。
日本人の自分がアメリカに引っ越して結婚する場合
アメリカ人パートナーとの結婚を決め、もし自分がアメリカに引っ越して結婚し、生活することになった場合。準備しておくべきことは、まずは英会話能力です。
アメリカは日系も含めて移民が多く、特に西海岸の地域ではアジア系の移民を日常的に見かけます。日本人と現地で知り合うことも珍しくありません。日系の企業もそれなりにありますし、日本語教室や日本食レストランなど、地域によっては就職先もそれなりに見つかります。
ただし、もちろん日常的に使うのは英語です。日常会話くらいできれば迷子になっても野垂れ死ぬことはないでしょうが、やはり暮らしていくとなるとTOEICでいうと最低でもスコア700程度のレベルには到達していないと不十分に感じる時もあるでしょう。
たとえば、まず渡米したら後々グリーンカード(永住権)の申請をすることになりますが、申請書や説明書に日本語のサポートはありません。全て英語の読み書き喋りをこなさなければいけませんし、手続きの中にはアメリカ人のパートナーの助けを得られないタイミングも出てきます。
個人的にですが、筆者が特に苦戦したのは電話での問い合わせです。永住権の申請中にトラブルがあり、移民局に電話をしなければならなくなったのですが、電話口だと相手の顔も見えないため特に難しかったのを覚えています。
移民局のオペレーターはもちろん、移民の対応に慣れていますし、非常にクリアな英語を話してくれますが、それでも緊張はするものでした。電話の会話は全て録音し、後で勘違いした話題などがないか毎回チェックしています。
筆者が渡米前にいた英会話教室では、全部で7段階あるクラスの中でもレベル5と、留学経験がない割には上の方でしたが、それでも最初はかなり苦戦したものです。聞き取りやすい英語で喋ってくれる先生たちとは違い、アメリカ英語のアクセントは人によって多種多様。
南部、ニューヨーク、ボストン、黒人、イギリス人、スコットランドや他の移民など、出身によって英語の喋り方や話すスピード、単語まで変わってきます。アメリカ人同士でも会話が通じないこともあるレベルなので、移住したばかりの頃はかなり自信損失してしまいました。
とはいえ、まともに会話もできないようでは人間関係や就職にも困難ですから、そこは実践あるのみです。パートナーとの会話だけでは上達にも限界があるので、現地の英会話クラスに参加するのもおすすめ。
また、ずっとアメリカで暮らすなら、運転免許やマイカーもいずれ必要になります。今はAmazonという非常に便利なお買い物システムがあるとはいえ、買い物ひとつでも自分1人で自由に行動できないのはストレスです。
移住する地域によっては日系の移民が歓迎されない場所もあります。治安の悪い地域もありますし、アメリカに移住するかどうかは今現在の英語能力のほか、暮らす州によっても慎重に決断を下しましょう。
日本人がアメリカで生活するということ
西海岸やニューヨークのような都心では日系の移民が多く、アジア系の人に対する差別もそれほど深刻ではないので比較的暮らしやすいですし、日系のスーパーやレストランなどもあります。日本人のコミュニティや広報誌などのある地域なら、なお安心でしょう。
ただし、心配なのは中〜南部のいわゆる「カントリーサイド」に引っ越しをする場合。4年に一度の大統領選挙の勢力図でもわかりますが、内陸や南部は共和党の支持者の多い保守的な地域です。
保守派のアメリカ人は根本的に移民を嫌います。また、第二次世界大戦の際に家族が日本軍と戦って命を落としたというケースも珍しくはなく、日本人そのものに敵意を抱いている人がいることも。
そうした人々が近所にいる可能性が高くなり、引っ越し先が田舎の地方であるほど日本人の移民となる自分の肩身は狭くなりそうです。生活は厳しくなるでしょう。
そのため、もしアメリカ人パートナーと結婚してアメリカに住むことを考えているなら、住居は沿岸部のリベラルな地域に限ることをおすすめします。
また、どの地域でもキリスト教の信者には遭遇します。時には過激派の人がプラカードを持って街角に立って叫んでいたり。日本人とアメリカのキリスト教でもやや方向性が違い、道徳や哲学的な部分を重視するよりもガチで超自然的な奇跡を起こそうとしていたり、悪魔払いなどをするファンタジックな側面や洗脳的な繋がりを持っている教会も。
田舎に行くとよりそういった狂信的な雰囲気が増し、全くソリが合わないこともあるので、自分自身もクリスチャンだとしても迂闊に関わらないほうがいいかもしれません。
日本にはアメリカ発の文化がどんどん流入してきますが、それでも現地の文化や雰囲気は実際に体験しないとわかりません。「思っていたのと違うなあ」と感じることもあるでしょう。
しかし、悪いことばかりではありません。食文化も高カロリーなものばかりではないですし、可愛い住宅や広い庭付きのアパートメントや広大に広がる大自然など、日本にはない色々な物事の側面をメリットとして捉えれば、アメリカの生活もなかなか楽しいものです。
日本で国際結婚をするときの流れ
ここからは、パートナーと「日本で結婚して日本で暮らす」ということになったら、どのような流れで手続きを進めていくのかをお話ししていきます。
日本でアメリカ人と結婚するのは、アメリカで結婚するよりも非常に簡単。集めた書類と一緒に婚姻届を書いて提出するだけなので、ただ籍を入れるだけなら一番簡単な方法といえるでしょう。
まず日本でアメリカ人のパートナーと結婚するためには、パートナーがアメリカの現地、または在日米国領事館で「独身証明」の書類を揃える必要があります。
日本にいても結婚の書類だけは揃えられるので、「日本に来て恋人と出会ってそのまま電撃結婚する」ということもできてしまうのですが、相手がアメリカに住んでいる場合には引越しの準備などもありますし、日本への在留資格の申請が必要。そのため、日本へ短期滞在中に出会った場合は、基本的に相手は一度帰国しなければいけません。
また、アメリカで揃えた書類には、その和訳を添付する必要があります。特に「婚姻要件具備証明書」の和訳は、資格を持っている翻訳家にお願いした方が確実。自分で翻訳してあげることもできますが、不備があると書類が取り下げになることも考えられますし、公的な文書のため抜かりなく進めましょう。
そして、日本に暮らす際に必要になるのがパートナーの在留資格です。
相手が既に就労ビザや留学のためのビザで日本に住んでいる場合は、既に身元の審査なども済んでいるので資格変更が可能ですが、短期滞在の資格から「日本人の配偶者等」という永住権に資格変更をすることは原則としてできません。
もしアメリカ人パートナーが海外に住んでいる場合は、まずは婚姻届を提出し、それから相手が米国で2〜3ヶ月かけて改めて在留資格を申請することになります。
これらの課題も含め、どのような流れを経てアメリカ人パートナーと日本で結婚生活を送ることができるのか、具体的に解説していきましょう。
必要な書類を揃えよう
アメリカ人パートナーと日本で結婚することが決まったら、まずは書類を揃えましょう。必要な書類は、日本人とアメリカ人でそれぞれ以下の通りです。
日本人である自分が用意する書類
- 婚姻届
- 戸籍謄本
- 運転免許証やパスポート、マイナンバーカード等の身分証明書のコピー
アメリカ人のパートナーが用意する書類
- 婚姻要件具備証明書(宣誓供述書)
- 国籍証明書(パスポートのコピー
まず日本人である自分側が用意するのは、婚姻届。こちらは国際結婚に関わらず、国内の結婚と同じ様式のものです。日本で結婚する場合の婚姻届には、「成人した2人の証人」のサインが必要になります。
基本的には証人は両親や家族にお願いしてください。婚姻届にはアメリカ人の相手の名前や住所などの書き方も日本語に直して記入しますが、書き方は役所にテンプレートがある場合があるので、そちらを参考にすると良いでしょう。
そして、もし婚姻届を提出する役所が自分の本籍地と異なる場合は、あらかじめ戸籍謄本を取り寄せておきます。こちらの取り寄せも数日〜1週間ほどかかる場合もありますから、前もって準備しておくことがおすすめ。
また自分自身の身分証明書は、パスポートや運転免許証などの顔写真付きのものをコピーをとって提出します。日本人側が用意する書類は、ここまで。
アメリカ人パートナーに用意してもらう書類は、まずは「婚姻要件具備証明書」というもの。これは「今現在独身であり、結婚をする資格があります」という証明書です。アメリカの市民である場合は「宣誓供述書」という形になり、英語では「SINGLE AFFIDAVIT FOR MARRIAGE」という書類。
こちらはアメリカ現地の役所でもらうか、在日米国大使館で貰います。この書類は公証なので、あらかじめ予約申し込みが必要。インターネットで申請できるので、パートナーに申請して取得してもらいましょう。
あとは米国パスポートの顔写真付きのページのコピー。これらを揃えて、役所に提出すれば晴れて結婚ということです。
アメリカ政府に届け出は必要?
国際結婚の場合、手続きが同じ国の人同士の場合とは互いの国の事情を含めて大きく異なり、不明点も色々出てくるでしょう。そのひとつとして、日本で結婚手続きをした場合、アメリカでもなにか手続きをすることはあるのかどうか、という疑問も上がりますよね。
これについては、アメリカでは海外で結婚をした場合でも、特別な手続きなしでも、米国内でも「結婚した」ということになります。そのため、日本で婚姻届を出せば、アメリカでも相手は法的に結婚したとみなされるため、特別な手続きは必要ありません。
婚姻要件具備証明書の申請の時点で政府に記録が残るので、日本では結婚していてもアメリカでは結婚したことにならず、アメリカで相手が他の人と結婚できるということは起こらないので、安心して良いでしょう。
ただ、もしアメリカ国内で結婚証明書が必要なときには、日本の役所に貰った婚姻届受理証明書を英訳したものを在日米国大使館に提出し公証してもらうことで、アメリカでも通用する結婚証明書(MARRIAGE CERTIFICATE)を発行してもらえます。
もし日本で結婚してアメリカに移住するという際には必要になる書類ですので、自分たちの予定に合わせて申請しましょう。
「日本人の配偶者等」の在留資格を得るには
アメリカ人のパートナーと日本で結婚したとして、そのまま2人で日本で生活できるのかといえば、そうではありません。外国人が日本で就職したり、生活していくには在留資格(ビザ)が必要になります。
アメリカのパスポートは、日本に3ヶ月以内の短期滞在で、観光目的の場合にのみビザを申請する必要がありません。しかし、短期滞在の資格は査証がなく、つまりはその本人が「真っ当な人物かどうか」は証明できないので、就職したり長期的に滞在する資格はありません。
アメリカ人が日本で生活するためには、改めて在留資格を申請する必要があるのです。
もし相手が就労ビザなど、他の在留資格によって日本で生活している場合は、日本国内にいながら「日本人の配偶者等」という在留資格に変更することができます。
その変更のための書類である「在留資格変更許可申請」の書類やルール、必要な添付書類などは法務省のホームページに詳しく載っていますが、申請からだいたい2週間〜1ヶ月ほどで審査が処理されるという運びです。
そうしてビザを「日本人の配偶者等」に変更できれば、問題なく日本で結婚生活を送ることができます。
一方、アメリカ人パートナーが日本に住んでいない場合は手続きが難しくなります。ビザなしの短期滞在で日本国内にいながら滞在資格を申請することは原則としてできないため、一度アメリカに帰国してから改めて「配偶者ビザ」を申請しなければなりません。
短期滞在の資格からの変更は基本的に認められない
もし、「日本に旅行にやってきたアメリカ人と恋に落ち、結婚の約束をした」としたら。この状況からは、客観的に見れば、とある問題が危惧されます。
それは「国際ロマンス詐欺」。その手口は様々な形をとり、特にマッチングアプリなどネット上の出会いで発生するケースも多いです。情熱的な、運命的な恋愛の出会いに見せかけ、金品やビザを不正に入手しようとする人がいますから、ネットの出会いには常に気をつけるべき。
特に、日本にいながら外国人との出会いを探す日本人にとって、マッチングアプリは手頃なツール。しかし詐欺師の温床でもありますから、交際を長く続け、相手が信用に足る人物であると確信が持てない限りは結婚の約束をするべきではありません。
法務省も、配偶者ビザの審査の際には、日本人とパートナーとなるアメリカ人の間柄について調査し、その中でお互いについて知っている情報が異様に少ない、交際期間が短かすぎるなど、不審な点が見られれば申請が却下される可能性もあります。
そして、国際結婚詐欺の防止のためにも、身元を査証されていない短期滞在の資格から配偶者ビザへの変更は原則として不可です。
パートナーが妊娠をしており日本で出産する必要があるなど、「やむを得ない事情」があるときには例外として許可されることはありますが、少なくとも自分たちの力だけで短期滞在から資格変更をするのは無理だと思った方が良いでしょう。
ただ、特に事情がなくとも行政書士に相談することで短期滞在から資格変更できるということもあります。とはいえお金もかかりますし、引っ越しをする準備も必要になるでしょうから、アメリカ人のパートナーが海外に住んでいる場合は、無理をせず一度帰国して、引っ越しやビザの準備をした方が無難かと思われます。
配偶者ビザの申請も2〜3ヶ月ほどかかりますが、婚約者ともなれば、その程度の時間を離れ離れになったとして壊れるような脆い関係でもないでしょう。
結婚というのもそもそも人生を変える大きな決断ですし、国際結婚ともなればより困難が伴います。「見切り発車」をすることなく、「婚約中」の時間にも相手のことを結婚相手としてふさわしいかよく見極めてください。
短期滞在中に日本で籍を入れたら、ビザのために一旦相手が帰国するタイミングで自分もついていき、配偶者ビザが下りるまでの2〜3ヶ月を同棲してみるという手もあります。日本語訳のためにも補佐できますし、相手の両親にも挨拶できますから、いい機会になるのではないでしょうか。
アメリカで国際結婚をするときの流れ
では、今度は日本人であるこちら側が渡米して、アメリカ人のパートナーと結婚し、現地で生活することにした場合について。どのような流れで入国し、結婚し、永住権の申請をするのかという流れについて説明していきます。
この場合は、日本で結婚するよりも手続きははるかに長く複雑です。まず「フィアンセビザ(婚約者ビザ)」の取得に数ヶ月かかり、渡航後に結婚したら「グリーンカード(永住権)」の申請から取得までに6ヶ月以上かかります。
アメリカは世界中から結婚をきっかけとした移民がやって来ますが、中には結婚詐欺のパターンもありますし、テロリストに対しても警戒しているため、大量の書類を作成し自分の身の上を証明しなければいけないのです。
ただ、日本人の場合は比較的信頼されているため、他の国の移民に比べれば手続きはスムーズといわれています。とはいえ、相手と結婚するまでにも手続きが長くかかりますから、辛抱強くいないといけません。
また、フィアンセビザもグリーンカードも申請のルールがちょくちょく変更されますから、必要な時の最新情報を把握しておきましょう。しかし基本的な流れはいつでも大体同じなので、今回はひとまず「2020年版」ということにしますが、ここで説明することは今後も参考になるかと思われます。
それでは、まずは婚約者ビザの取得の流れについて詳しくご説明しましょう。
K-1ビザの取得
アメリカで結婚をして生活をするとなると、まず初めにするべきなのが「婚約者ビザ」を取得すること。
婚約者ビザ(Fiancé/Fiancée Visa)はまた「K-1ビザ」とも呼ばれ、アメリカ国外の婚約者がアメリカに入国し、結婚するためには必須のビザです。その他の就労ビザや短期滞在(ESTA)では、入国しても結婚をすることができません。
K-1ビザを申請すると、職歴や住居歴、犯罪歴など、米国市民権保持者の配偶者となっても問題がない人物かどうかを審査されます。そのため、K-1ビザさえ取得すればアメリカで結婚すること自体はスムーズです。
そして、K-1ビザ申請の流れとしては以下の通り。
- アメリカ人パートナーがK-1ビザの嘆願書(申請書I-129F)をUSCIS(米国移民局)に申請する
- 申請が許可されると、在日米国大使館から日本人の住所にインストラクション(これから何をするべきかの説明)が届く
- オンライン申請「DS-160」作成、送信
- 指定された病院で健康診断をし、申請料金を支払い、必要書類を揃える
- オンラインで面接のアポイントメントを申請し、最寄りの大使館で面接の後K-1ビザ取得
ご想像の通り、この手続きだけでも結構大変です。
最初に、パートナーにアメリカ国内で提出するK-1ビザ申請のための嘆願書を作成し、申請してもらいます。アメリカ人のパートナー自身の身元の審査も含まれ、また書類の構成も複雑ですから、自力でやると大変苦労します。
お金に余裕のある人は弁護士に依頼して作成してもらうことも可能ですが、自分たちの力だけで出来ないこともありません。筆者のパートナーは数ヶ月かかっても自力で書類を作成して申請して、無事許可されました。
そうして嘆願書の許可が通ると、今度は日本人の側に大使館から郵便で「インストラクション」の封筒が届きます。この手紙の中には、申請中の日本人側がこれからどのようにしてK-1ビザを申請していくのかという説明が含まれており、その説明に沿って手続きを進めていくことに。
大まかな申請の流れ
まずはオンラインでID登録をし、自分の情報を記入します。職歴や婚歴、学歴、犯罪歴など自分についてのあらゆる情報と、「私はアメリカに危害を加える人物ではありません」という宣誓であり、ここで意図的に虚偽の情報を登録すればビザ申請が却下される上、アメリカに入国拒否されることもあるので、慎重に進めましょう。
それから、インストラクションに書かれた必要書類を集めます。その中で一番厄介なのが、大使館が指定した病院での健康診断です。半日〜1日中かかることもあるので、予約をした日は予定を開けておきましょう。
検査するのは病歴や身体検査、ワクチン接種など。K-1ビザで入国するときはワクチン接種の必要がないとされていますが、永住権申請の際は結局必要になるため、ここで受けておいた方が後々アメリカに渡って保険なしの状態で高額なワクチンを受けずに済みます。(筆者は注射が嫌すぎてワクチン接種を避けた結果、アメリカで受けることになり後悔しました。五万円かかりました。)
そうして取得した検診結果や戸籍謄本やパスポートなど、指定された必要書類を揃えたら、DS-160を申請したサイトで申請料金の支払いをし、最寄りの在日米国大使館の面接のアポイントメントを取ります。
アポ当日に書類を持って大使館へ行き、面接を受けて許可が下りれば、後日無事にK-1ビザが貼られたパスポートとともに書類が郵送されてくるという流れです。
大使館の面接ってどんな感じ?
K-1ビザを取得するための最後のプロセスである大使館での面接とは、一体どのようなことを聞かれるのか、緊張して身構えている人もいるでしょう。
しかし、それほど心配する必要もありません。短ければ5分ほどの質問で終わることもあります。
日本で一般的に「面接」というと、密室に通され審査員に向かい合って座り、質疑応答するというものですが、大使館の面接はただ立ったまま窓口の面接官に聞かれたことを答えるだけです。
職員は基本的に英語を話しますから、難なく受け答えができる英語力があると安心。もし英語に自信がなくても、通訳の方が控えているので問題ありません。
それでは、面接ではどのようなことを聞かれるのかというと、「自分とパートナーの間柄が間違いないものかどうか」ということ。つまり、偽装結婚ではないということを証明すればよいのです。
プロポーズされた日や初めて出会った日のことなど、パートナーがK-1ビザの嘆願書を提出したときに添付した情報と食い違いがないかどうか、クイズ形式で聞かれることもあります。
たとえば、「あなたがパートナーにプロポーズされたのは5月3日ですか?5月6日ですか?」など。そのため、具体的な日にちについてはあらかじめ記憶しておきましょう。
筆者が面接を受けたときは英語で受け答えし、プロポーズと出会った日付を両方聞かれました。また、自分の両親と彼の仲の良いことを伝えると、すぐに面接は終わってビザも許可されました。
面接官によっては、もっと長く質問をされることもあるようです。「相手と交わしたメールや写真、手紙を見せると良い」という話もありますし、そういった相手との交流の証拠も持っていくと良いでしょう。
この日に持っていくべき書類が足りなかったり、不備があると問題です。また、許可が下りた後に送られてくる書類は全てアメリカに渡航する際には持っていきましょう。
K-1ビザには「渡航後90日以内に結婚しなければいけない」というルールがあります。あくまでも「90日」であり、「3ヶ月」ではないので注意。許可が下りたら航空券を予約し、引越しの準備を進めましょう。
アメリカに渡航後、90日以内に結婚する
晴れてK-1ビザを取ったら、次はようやくアメリカのパートナーのもとに渡航できます。ここまでのプロセスだけでも非常に長いので、無事に渡航できるようになっただけでもお祝いしたいところですね。
ここからは90日以内に結婚さえして、それからビザの期限が切れる前に永住権の申請書の提出さえすれば、アメリカに滞在し続けることができます。永住権なしには就職したり健康保険に入るなど普通の生活ができませんが、パートナーの扶養のうちで生活することは可能です。
ただ、K-1ビザ以降の手続きは日本語のサポートが一切ないため、難易度が上がります。まず、ビザで入国した時の審査での受け答えから完全に英語ですし、パートナーと一緒に渡航しない限り、審査は1人きりで受けますから、最低限の英語力が問われるのです。
誰でもアメリカで生活するとなれば、少なくとも日常会話以上の英語は身につけていると思われますが、アメリカのネイティブスピーカーの様々なアクセントのある英語の聞き取りは現地で慣れていくしかありません。頑張りましょう。
税関の入国審査では、大使館での面接と同じような内容を改めて質問されます。この時点が実質的に結婚のための最終的な審査になるので、質問には間違いなく回答しましょう。アメリカの空港の税関職員は実銃を携帯している人もいるのでビビりますが、異常行動をしない限り、強制帰国や拘束されるようなことも起きないので安心してください。
そうして無事入国することができたら、1人で渡航した場合はめでたくパートナーとの再会となるでしょう。これからも色々な手続きはありますが、実質的に相手との共同生活のスタートとなりますから、何事も楽しんでいけると良いですね。
ここで注意するべきことといえば、K-1ビザの期限は入国後90日までということ。その期限内にマリッジサーティフィケートを入手し、州のルールに従ってパートナーと結婚してください。
このビザの期限については「うっかり過ぎちゃったけど大丈夫ですよ」という柔軟な対応は起こりません。
ビザが切れたら強制退去も
フィアンセビザを取得して入国した後、一番懸念されるのが「ビザの期限切れ」です。
フィアンセビザは一度の申請でたった一度だけ入国が許可されています。忘れ物をしたから一度帰国してまたアメリカに帰ってくる、というのは不可。必要な書類や荷物は必ず全て持ち込まなければいけません。
もしもビザの期限が切れる前に結婚をしないと、それ以降の期間は「不法滞在」ということになってしまいます。もしそのようなステータスになってしまえば、二度とビザを取得し直すこともできなくなる可能性さえあります。
入国管理局は不法入国を厳しく監視しており、一度でもルールを破れば信用を失ってしまうのです。そのようなことにならないよう、ビザに関して決められたルールは厳守してください。
万が一、やむを得ない理由で入国後90日以内に結婚をすることができないという場合は、弁護士を雇って何をすべきかアドバイスしてもらいましょう。
90日以内に結婚をし、また永住権の申請をすれば、ビザなしでもアメリカ国内に滞在する資格を持っていることになります。
グリーンカードを申請する
アメリカ人のパートナーと協力してK-1ビザを取得し、渡航して90日以内に結婚したら、念願の国際結婚の達成です。しかし、今後もアメリカで銀行口座を持ったり、就職したり、健康保険に入るなど「移民」として正式に生活していくには、必ずアメリカの永住権が必要になります。
永住権の証明書、日本でいう「在留カード」のようなものが緑色をしているため、一般にアメリカの永住権は「グリーンカード」という名称で呼ばれます。しかし、国際結婚でアメリカの移民となる場合、申請自体の名称は「Adjustment Of Status(ステータス調整)」、通称「AOS」。
この「AOS」はK-1ビザで入国、結婚してグリーンカードを申請中の場合の滞在資格でもあり、もし万が一警察官などにビザの有無を問われれば「AOS申請中です」と答えることになります。
AOSの申請手続きは、K-1ビザと同じくらい複雑な上、申請料も高額です。それに、説明書(Instruction)も全部英語。公的な書類の英語ですから、たとえ母国語が英語の人が読んでも読解に手間がかかるくらい「お堅い」英語で書かれています。
AOSの申請書類「Form I-485」は、K-1ビザの申請の時と同じように自分の個人情報を書き込み、新しくパスポートスタイルの写真、その他の色々な書類と一緒にアメリカの移民局(USCIS)に郵送することで申請します。この時、健康診断の結果も郵送しますが、K-1の時の検診結果の期限(6ヶ月)が切れていなければ、その受診書のコピーを提出すれば大丈夫。
そして申請後、申請書類に不備などなければ、次のプロセスに移るための通知が送られてきます。まず「バイオメトリクス」といわれる指紋採取や写真撮影、デジタル署名などの予約があり、その後夫婦で面接を受け、問題がなければ最初は2年間の永住権を取得できるという流れ。
AOS申請からグリーンカード入手までにかかる時間は現在、最短でも6ヶ月ほど。弁護士なしでも申請は可能ですが、書類の不備なども起こりやすいので、経済的に余裕がある場合は弁護士を通したほうがスムーズでしょう。
特に、たまに申請書類の書式が更新されることがあり、最新の申請書でなければ申請書を送っても「不備」として一度返却されてしまいます(筆者は提出した数日後に書式が変わり、返却されたため書き直しになりました)。USCISのホームページでもなぜか古い形式の書式をダウンロードできてしまうこともあるので、注意が必要です。
また、申請から永住権取得まで半年以上かかり、その間は日本に帰国したり、現地で就職もできません。しかし、AOSと同時に申請すれば、就労許可も一時帰国の手続きも無料でできるというお得な申請書類もあります。
就労許可と再入国許可の手続きも一緒にしよう
もしグリーンカード申請中でも労働許可や一時的な帰国、またはハネムーンで海外旅行などにいきたければ、AOSに他の申請書も添付して提出しましょう。
労働許可の申請は「Application for Employment Authorization」といい、申請書は「Form I-765」と呼ばれるもの。この書類では同時にソーシャルセキュリティーナンバー(SSN)の申請もできます。
申請中に帰国したり海外に行きたければ、再入国許可証である「Application for Travel Document」である申請書「Form I-131」も一緒に提出します。この許可証がなければ、AOS申請は棄却されてアメリカに戻って来れなくなってしまうため、一時的に海外に出たければ必ず申請してください。
グリーンカードを入手するまでの申請期間は、その時の政治や世界の状況により変わります。2020年春からはコロナウイルスの影響で申請にかかる時間が大幅に増えており、場合によってはバイオメトリクスが済んだら面接を免除されてそのままグリーンカード交付というパターンも。
その時その状況で審査にかかる時間も変わりますから、自分がどのようにアメリカで生活していくかの利便に合わせて、労働許可や再入国許可も一緒に提出しましょう。
必ず在米日本大使館に婚姻届を提出する
結婚後はグリーンカード申請にてんてこまいで、つい誰もが忘れがちなことがあります。それは、日本側にも婚姻届を提出すること。アメリカで結婚しても、自動的に日本でも結婚をしたということにはなりません。領事館を通して、日本にパートナーとの婚姻届を送る必要があります。
方法としては州ごとの在米日本国総領事館のホームページから届け出の方法を確認します。自分が住んでいる州の領事館によってルールが異なるので、必ず自分で該当する領事館のホームページにアクセスし、婚姻届の提出方法について調べましょう。
提出する書類としては、婚姻届、2人の出生証明書(日本人は戸籍謄本、アメリカ人は出生証明書を和訳つきで)、有効なパスポートのコピー、婚姻証明書とその和訳、ビザかグリーンカードもしくはAOS申請の受領書のコピー等。
また、アメリカ人のパートナーと結婚して、日本においても苗字の変更をしたい場合は、結婚してから「外国人との婚姻による氏の変更届」を一緒に提出しましょう。こちらは結婚してから6ヶ月以内であれば、家庭裁判所の許可なしで申請ができます。
日本の婚姻届は、アメリカで結婚してから3ヶ月以内に提出しなければいけないというルールです。もし何らかの理由で遅れる場合は「遅延理由書」を添付すれば良いとされている場合もありますが、できれば結婚後はすぐに婚姻届の作成に取りかかることをおすすめします。
なぜかといえば、婚姻届の提出のために集めないといけない書類もそれなりに多いため。アメリカ人のパートナーも、手元に出生証明書がなければ改めて申請して入手する必要がありますし、日本人としてももし戸籍謄本が手元になければ、日本から取り寄せないといけません。
渡米する前に何冊か戸籍謄本を入手しておく
筆者は、K-1ビザや永住権申請の情報で頭が一杯で、渡米前は日本に提出する婚姻届のことをすっかり忘れていました。そのため、婚姻届と一緒に提出する戸籍謄本が足りず、家族に頼んで何冊か郵送してもらったのです。
婚姻届のための戸籍謄本はコピーではなく、原本が必要。K-1のインストラクションにも「アメリカに渡航したらこれだけ戸籍謄本が要りますよ」ということは書いてないことですが、渡米前にあらかじめ何冊か請求して受け取っておかないと、後々色々な手続きで困ることになってしまいます。
大体5冊はあれば安心できます。戸籍謄本には期限がありますが、急に必要になった時に時間をかけてEMSで取り寄せることになるより、一冊450円のリスクを抱える方がマシではないかと思われます。
もし取り寄せと郵送を頼める家族がいない場合は、登録のある市区町村の役場に連絡してEMSで送ってもらいましょう。その市区町村によっては時間がかかることもあるので、婚姻届の申請は早めにはじめないといけません。
また、パートナーにも結婚する前に出生証明書のCertified Copy(謄本)を1〜2冊入手しておいてもらえると安心です。
弁護士なしでも英語力があれば大丈夫
K-1ビザの申請も、渡航の時の入国審査も、グリーンカードの申請も、英語力が求められますし、複雑な手続きのためにパートナーとお互い疲れ果ててしまうこともあるでしょう。
どちらかがお金持ちなら、弁護士を雇うことで入国審査や面接など自分自身の力が必要な時以外は手続きを全部丸投げできます。
筆者はパートナーとお互いそんなにリッチでもないので、書類作成は全て自分たちの力でこなしました。でも、弁護士を雇えたら、あの大量の書類作成を全部やってくれると思うと非常に羨ましくも思います。
ただ、逆に弁護士を雇わなくても、国際結婚は十分に可能なものでもあるといえます。地道に英語を読解する力は必要ですが、書類作成の上では時間をかけられますから、それほど心配はいりません。
困難があるとしたら、入国審査や面接の時、USCISに電話で問い合わせをする際など、英会話の受け答えが必要になる瞬間です。アメリカで国際結婚をするとなると、もともと留学していたなど英語を話す生活に慣れている場合は非常に有利ですが、留学経験や英会話の経験がなければなかなか難しいこともあるでしょう。
かくいう筆者も、パートナーと日本で出会ってから英会話の実践に踏み込んだ人間です。最初は本当に中学の教科書に載っているような簡単な会話しかできませんでしたが、彼と毎日話をしたり、英会話教室に通うなど努力をすることで、現在はただ生活の中で現地の人とおしゃべりするくらいなら苦もなくなってきました。
文法や単語も大事ですが、慣れもとても重要。特に色々なアクセントの英語の聞き取り完璧にするには、時間と経験がいるということを嫌ほど味わっています。英語が苦手でも、アメリカでの生活を楽しみながら、慣れていきましょう。
反対に、アメリカ人のパートナーと日本に住む場合は、上のようなことが相手に起こります。日本語を勉強中だとしたら、日本人とうまくコミュニケーションが取れないもどかしさでフラストレーションを感じることもあるでしょう。そうして相手が落ち込んでしまったとしたら、励まして心を支えてあげられる優しさも必要です。
ただ、たとえどのような困難が待ち構えているとしても、逆にその壁を乗り越えることで、お互いの絆をより強くすることにもつながります。絆があれば、言葉や国境など、どんな障害がお互いを隔ているとしても、お互いがどんなに必要な相手であるというのを毎回実感するでしょう。
「国際結婚は離婚率が高い」とも囁かれていますが、お互いを繋いでいるものが本物の愛情だと確信があるなら、どんな複雑な手続きがあっても大丈夫。自分たちの幸せな未来のためにも、頑張りましょう。
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